第二章 ネクタイ条約

第14話

次の日。登校して教室に入った私は、真っ先に成宮君のもとに向かった。




でも、やっぱり学園の王子様なだけあって……成宮君は朝から男の子にも女の子にも囲まれてる。




凄く声を掛けづらい……。




張り切って声を掛ける気でいた私は、そのいつも通りの朝の光景に早速怯み始めた。




今、声を掛ければ確実に注目の的だし。



んー。




「難しい顔なんかしちゃって、どうしたの?」




思い悩んでいた私のもとへ凛ちゃんが駆け寄ってきた。




今日もロリ顔でアニメ声な凛ちゃんは、首をちょこんと傾げて私を不思議そうに見る。




「“おはよう”って言えそうにないの……」

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