第2話
私は両手で頬を叩いて気合いを入れた。
「な、成宮君……!」
緊張で震えそうになる声を必死に押さえる。
夕暮れの教室の中、机に何かを広げてペン走らせていた成宮君は私の声に反応したのか顔を上げた。
「山崎さん……?」
彼の甘い声が私の名前を呼ぶ。
それだけで舞い上がりそうなくらい気持ちが高ぶる。
彼の口から私の名前を呼ばれる日が来るとは……!
「あ、私の名前知ってたんだ?」
それに成宮君が私の名前を知っていたことに驚いた。
同じクラスだから知ってて当然かもしれないけど、話したことなんてなかったんだもん。
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