第89話
そうなるともう視線を合わせるどころか返答さえできない。
「当てられて返事もできない、か。」
そう言って川嶋先生はフッと薄く笑った。
「せ、先生……っ、」
アタシは喉の奥がカラカラに乾いて言葉を発するのも辛かったけれど、何かを言わなければいけないと思った。
「だから、りせにそう呼ばれるのはイラつくって言ったの忘れた?今更境界線をひかれたようで……この先、俺はマツとりせの仲を指をくわえて見ていかなきゃいけないの?」
川嶋先生の声音なのに感情が見えないその言葉がアタシを惑わす。
彼は本当にアタシにとっては性質が悪い……。また甘やかされるようで怖い。
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