川嶋先生はアタシがすぐ触れる事が出来る距離にいた。

「……黙って出て行ってすみませんでした。」

アタシはその一言を言うのが精一杯で彼の顔さえ見る事ができなかった。

「その謝る理由を教えて。シーツごといなくなるってどういうコトよ。」

彼の言葉にアタシの肩はビクッとなる。

その反応を彼は見逃さなかった。

「……それは、改めて……お返しします。」

益々アタシは川嶋先生の顔が見れない。

あの日、シーツまで持って帰ってしまった事が今になって頭の中で鮮明に蘇るから。

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