第67話

か、川嶋先生!?


本当に彼なの!?

アタシは俯いたまま自分が動揺するのは分かったけれど冷静になる術が見つからなかった。



「遅いー!アタシなんかもう二杯目なんだけど?」



「あのねえ、センターで働いていたら定時帰宅とかありえないんだけど。」


そう言って彼が席につく音がする。



耳に入ってくる声は確かに川嶋先生だと確信する。

膝の上のワンピースを握る手に力がこもる。



「あ、彼女がマツの想い人なの?」



アタシは一瞬目を閉じる。


もうあの時みたいに逃げる事は許されないと思った。



顔を上げ、川嶋先生と視線を合わせた――――。

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