第18話

今、何て言ったの?と、泊まる!?


「あの、えと……?」


川嶋先生はアタシと同じソファーに座る。


ラフな部屋着に着替えた彼を見たのは生まれて初めてだった。

ただの部屋着でもアタシの心臓は煩く脈打つ。


こんな至近距離でもこのヒトはとても綺麗な容姿をしているんだと再認識する。


モテないわけがない、


知らないフリなんて出来ない、


ココロが囚われそうになる……。



「りおこサンの仕事はなに?」


川嶋先生の瞳がアタシを捕える。



「あ……の、」


本当の事は言えない。


あなたと同じ中央病院の職員だなんて。


言えるわけがない。


「うん?」



「こ、この近くの会社でOLを……しています。」



アタシは自分でも驚くくらいの弱弱しい声が口から出た。

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