第14話

「名前は?」


川嶋先生はソファーに座るアタシにホットミルクが入ったマグカップを渡してくる。


名前!?

それを言っていいのか少し躊躇してしまう。



「り、」


「り?」


「りおこ……デス。」


げ、思わず嘘を。

“り”しか合ってないし。


それに彼はアタシの事なんて知らないんだから本名言ってもバレないと思うのに、どんだけアタシは自信過剰なんだ!


「そう、りおこサンね。俺は川嶋綾。」


……存じております。



アタシは頷いてホットミルクを一口飲んだ。


それはとても身体に浸みて、ビールよりもアタシのココロを暖めてくれた。

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