第86話

「ワ、ワンピースですか。ずっと着てたのでもう良くないですか?」


志織ちゃんに選んでもらったベージュのワンピース。試着した時にちょっと身体のラインが目立つから遠慮していると、彼女に無理やりお会計されてしまう。

そしてプレゼント、だと言って私からお金を受け取る事はなかった。

決して安くはない金額だった。



「菜々は隣に座っていたから全然見れてないよ。」


そう言って浦崎君は私を自分の方へ向かせる。


……そんなにじっと見ないで欲しいんだけど。


「あ、あの、もう良くないですか?あまり見られると、」


「そう?よく似合ってる。浜辺さんセンスいいね。ずっと見てられる。」


「そんな、」


ずっと!?恥ずかしすぎるんですけど!

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