第84話
「……ごめん、俺泣いてばっかりだった。恥ずかしい。何しに来たんだろう。」
帰り道、浦崎君は少し落ち込んでいた。
「気にしなくていいと思います。それより両親は浦崎君をとても気に入ってくれました。」
「え、そうだったの?」
「現に次焼肉パーティーの日を皆で決めたじゃないですか。」
「あ、そうなのか、俺気に入って貰えたのか。」
え……、そう感じてたと思ってたんだけど。
そういう所鈍感。
「……ちょっと前に波久に言ってはいけない言葉を言ってしまって落ち込んだんだよね。なのに波久は怒ることもしなくて……俺って最低だな、って。だから菜々のご両親にそんな自分を見透かされたら……って正直不安もあった。」
「浦崎君、」
私が声を掛けると彼は立ち止まる。
「正直私も浦崎君が両親に会うことに少し抵抗もあったり、すぐ結婚しなければならなくなるのか葛藤が沢山ありました。でも今日会ってもらって良かったです。ありがとうございます。」
そう言うと彼はホッとしたように微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます