Lovesick 29

第82話

…………


浦崎君を両親に紹介した日は雨だった。


想像していた通り両親は驚きのあまり言葉が出てこない。

お母さんなんて彼の容姿にうっとりしていた。


「菜々のお付き合いしてる人?この方が?」


浦崎君がある程度自己紹介した後、口火を切ったのは母だった。


「そ、そうなの。」


「いやいやいやいや、やだー菜々の妄想怖いわ、ねぇ?お父さん。」


そう言う母に浦崎君は目を丸くする。

お父さんは首を傾げる。

お父さん!それ私に対して失礼すぎるから!


「浦崎さん、菜々と同じ高校ならよくご存知だと思いますけど社交性もないですし」


酷い、娘の前でディスる母親なんて!



「でも良かった、菜々を大切にしてくれる人が現れて。」


と、お父さんがひと言そう言うと、


何故か浦崎君が1粒涙を落とした。

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