誰にも強要された訳でもない。

医師になることを。

波久が医師を目指したから自分も……と。

兄以上にしっかりしないと、仕事が出来ないと周りに認めて貰えないと思い込んでいた。

いつの間にか波久と自分を比べていた。

波久は波久。

俺は俺なのに。

波久が壁にぶつかっていたなんて想像できないけど。

絶対教えてくれないらしいから俺も聞かない。

ただ、余計なお節介だけど……、

波久にも大切な誰かがそばに居てくれる事を本当に願ってる。

大切な1人の兄だから。

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