Lovesick 27

第77話

俺は平日の休みに買い物を済ませ、偶然同じ休みの兄のマンションを訪ねた。


「……よぉ、凪が来るなんて珍しいな。」


「久しぶりに買い物に出掛けたから。チョコミントのアイス食べる?」


「お前相変わらず歯磨き粉みたいなチョコミント好きだな。」


波久の部屋は北欧スタイルで俺と違ってこだわりの自分仕様に仕上がっている。

兄弟でここまで趣味が違うのも珍しいかもしれない。


「そのブランド、スーツ新調したのか?」


「うん、今日受け取りの日だったから。」


そう言うと波久は卓上のカレンダーを見た。


「菜々の所に行くの来週か……、俺も行こうかな。」


「は?」


「冗談に決まってるだろ、ばーか!」


いや、今の間は冗談に受け取れない感じだったけど!?……気のせいか。

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