第60話

「で、菜々の両親にいつ会わせてくれる?」


朝ご飯を食べ終わると浦崎君はそう言った。


「私の……、両親に会う?」


「そう、今月だと週末は……最後の週末しか空いてないんだけど。」


彼は優雅に自分で淹れたコーヒーを飲みながらそう言った。


なぜ?

昨日からの出来事を考える。

浦崎君が私の両親に会うという話の流れってどこにあったの!?


「……あの、浦崎君、」


「うん?」


朝からそんな爽やかな笑顔とかどうされたんでしょう。


「話の意図が全く理解できてなくて、」


「え?昨日話したよね?」


「え、いつですか?」


「エッチの最中。」


は?


「ずっと一緒にいよう、って言ったら菜々頷いたから。」


え、あれ、そういう意味だったの!?


「すぐに結婚はまぁ、菜々は戸惑うから婚約だったら良いよね?」


「あ、なんだ婚約……、こ、婚約ぅ!?」

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