第51話

「凪も……波久も、ひとりだって聞いてちょっとざまぁみろって思った。全部私のせいなんだけど。」


浜辺さんはそう言いながら笑った。


「酷いな、波久も俺も好きでひとりでいるわけじゃないんだけど。」


「私、本当に悔やんだの。簡単に凪を手放した事。」


「もう、昔の話だから。」


そう言うと浜辺さんは俺を見ると、


「あのまま凪と付き合っていたら……今頃私と結婚してたと思う?」


俺は首を傾げる。


「いや、それはないんじゃない?」


「どうしてそう言えるの?」


「……きっと、他に好きな人ができていたと思う。だから俺たちは結婚はしていないよ。」


浜辺さんは無言で頷く。


「そっか、じゃあ今そういうヒトがいるのね?」


「そういうこと。」


そう言って俺はいつもの自販機に直行した。


クリームソーダが売り切れていませんように!

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