Lovesick 18

第50話

オペが終わったのは15時も過ぎていた。


医局から出ると隣の会議室から誰かが出てくる。

一瞬その女性と目が合う。


「凪?」


あ、波久が言っていた彼女だった。


「浜辺さん、久しぶり。」


そう言うと浜辺さんは少し驚く。


「意外とも思わないのね。もしかして波久から聞いてた?」


「まぁ、そうかな。」


別れて1年しか経ってないのにもう何年も前に離れた人のように思えた。


すると彼女は無言で左手を出す。

薬指にはプラチナの指輪が光っていた。


「結婚したの、おめでとうございます。」


結婚した事は波久からの情報にはなかったから少し意外だった。


「半年付き合って結婚したの。」


「え、そ、そうなんだ。余程気があったんだね。」


そう言うと浜辺さんは俺から視線をずらす。

そして、

「ホッとした?それとも少しは寂しいと思ってくれた?」


「まさか、幸せそうでホッとしたよ。」

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