Lovesick 12

第33話

自分の企業を恨みたい。


「彩さん聞きましたよ!常駐延長おめでとうございます。」


笹川さんが嬉しそうに私に言う。


「……これはめでたいことなんですか?」


「え、そうでしょう?彩さん浦崎先生とまだ一緒に働けますよ?世にいうオフィスラブじゃないですかー。」


……現実はそんな甘くないんですけど。

浦崎君だけがいたらオフィスラブって浮かれていたかもしれないけれど。


現場もキツいし……、


「あ、波久先生だ。」


笹川さんが今1番聞きたくない名前を呼ぶから身体が一瞬ビクッとなる。


「おはようございまーす。」


笹川さんがいつものように元気に浦崎先生に声をかける。


「おぅ、」


そう言うと彼は一瞬私を見る。


だけど、

私は何も言わずにその場を離れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る