第32話

「ちょっと朝から兄弟で険悪な雰囲気止めてよ。」


医局から藤田先生が出てくる。


「波久先生まだ治ってないの?顔色悪いわよ?」


「元からこんな色してんだよ。」


「ちょっと弱ってる感じの波久先生も良いわよ。」


「はぁ?気持ち悪いこと言うんじゃねーよ!」


そう言って波久は入院棟のトラベーターに乗った。


「……大丈夫なの?波久先生。」


「さぁ、昨日菜々が看病したから大丈夫なんじゃないですか。」


「え?」


……ヤバい、コドモみたいな事を言ってしまった。

完全に嫉妬だ、自分の兄に。


「いつの間に本当の三角関係みたいになってるの、浦崎兄弟と彩さん。」


三角関係?

まさか……、いや、そうなのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る