第23話

「……ウサギが可愛すぎて食べれません。」


「誰も菜々のためにリンゴ切ったんじゃねーから。」


浦崎先生はそう言いながら私が作ったお粥を食べる。


「食べます!」


そう言うと彼は無言で頷いた。


ダイニングテーブルでこの人と一緒に食事をするなんて。

不思議と嫌じゃない。

それは浦崎君のお兄さんだから安心してるのか、私に全く興味がないから安心しているのか……。


「おい、お前傘持ってきてんのか?」


「いいえ?雨降ってませんでしたよ?」


「窓見てみろよ。」


私は浦崎先生が指差す方向を見る。


大きな窓に異常なほどの雨が打ちつけていた。

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