第5話

「絶対嫌です!」


「まぁ落ち着いて。あ、彩さん今月から新しいフレーバーティーが始まってるから飲もう、ね?」


宥めようと山本さんは院内カフェに私を連れてくる。


「フレーバーティーで機嫌なんて直りません。他のチームが入ればいいじゃないですか!あ、私はこのバナナショコラカフェで。」


「だから今回は全チーム半年延長なんだよ。」


う、嘘でしょう……、こんな事あっていいの?


「でも彩さんはあと半年凪先生と同じ場所で働けるから。」


「……それ本気で言ってます?禁止令出したの山本さんですよ?」


そう言うと山本さんは苦い表情をした。そして頭を下げる。


「本当にごめん、お願いします。」



上司に頭を下げさせることはできない。


ただでさえ病院が嫌いなのに……。

コレは悪夢以外の何物でもない。

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