Lovesick 2
第4話
SEスタッフルームに入ると山本さんとスタッフ数人の表情が今までになく暗い。
「……おはようございます。あの、どうかしたんですか?」
「あ、おはよう彩さん。」
私は自分のデスクにバッグを置くとスタッフが集まっている場所へ行く。
コレはただならぬ雰囲気……というのは鈍感な私でも理解できた。
「僕は別にいいと思いますよ?ちょうど慣れてきたし。」
チームのスタッフの1人はそう言う。
別にいい?何が?
「元々SEが1番来たくないブロックですし。そりゃ仕方ないですよ、ココは日本で5本の指に入る大学病院ですから。」
もう1人のスタッフの何処か聞き捨てならない言葉……。
私が瞬きを数回すると男性スタッフの皆が私を見る。
「な、なんですか!?お、教えてください!」
腕を組んでいたチームリーダーの山本さんが腕を下ろす。そして、
「ココに次に配属されるチームスタッフがまとまらなくてとても常駐出来る状態じゃないんだ。」
「はぁ、それは大変な事で。」
そんなこともある。
人間関係で空中分解するチームは沢山見てきた。
「でもそれはこのチームには関係ないのでは?」
「甘いよ、彩。」
先輩SEはそう言ってため息をついた。
「僕たちのチームのショッピングモールはお預けになりそう……」「イヤです!」
嫌だっ!絶対に!
私の声にスタッフがクスクス笑い始める。
嫌な予感しかしない!
「だよね、彩さんは嫌だよね。でももう半年ココで頑張らない?」
山本さんはそう言って私の肩をポンと叩く。
「絶対に頑張りません!」
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