第79話

「……菜々、挑発しに来た?」


浦崎君は何回目かのキスの後そう言った。


「え、……そうかもしれません。」


「ちょっと、そんな返し止めて。今までそんな事言ったことないのに。」


……だってブラ付けてこなかった。


彼の少し戸惑う表情が可愛い、と思った。

パジャマのボタンを外されて着崩れたパジャマ姿のまま私は浦崎君の唇に触れた。


…………、



「わーっ、もうこれ以上はどう頑張っても色気出ません!」


浦崎君を本気でその気にさせるなんてやっぱり無理だ!


「え……、」


「い、色気ないのは充分自覚してます!浦崎君だって疲れてるのに!……だけど、なんだか自分を止められなくて、」


もう頭の中は半分パニック。

残りの半分は羞恥心の増強と冷静を取り戻すので必死。


なのに浦崎君の指先は着崩れたせいで見えている左肩に触れて、


「ヤバいわ、菜々を無茶苦茶にしそう。」


……え、ロックオン?

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