第73話

「院内で波久も俺も菜々に関わるな、って言われたよ。」


「あ……、」


山本さんなら言いそうだと思った。


「彼が言うことは正論だよ。何も反論できなかった。」


「でも浦崎先生は別として浦崎君は……、」


「山本さんにとったら俺は菜々の障害にしかならない、まぁ足枷なんだろうなぁ。」


「そんな、」


「山本さんは菜々の将来を凄く心配しているし潰そうとする人間を排除したいんだろうね。」


「潰すとか誰が、」


「俺が、ってことでしょ。」


浦崎君はそう言って薄く笑った。

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