第52話
「ごめん、菜々を追い詰めてた。」
スーツケースを元に戻して私は部屋着に着替える。
その姿に安心したのか浦崎君はリビングルームのソファに座る。
「俺、こんなに独占欲の塊みたいな性格してたのかな。自分がちょっと怖いよ。」
私は返答に困る。
確かに浦崎君を知ってから波のような感情が見え隠れするから。
「……引かれても仕方ないよね。」
彼は苦笑いする。
でもそんな彼と離れるのが辛いって今回分かってしまった。
「私は……浦崎君と離れたくない、です。」
そう言って彼の隣に座る。
「……ありがと。でもまた苗字に戻ってる。」
「それはちょっと高度っていうか、」
「正気だと呼んでもらえないなんて。ずっと菜々を翻弄させてないとダメなんてちょっと笑える。」
そのうち……ううん、きっと呼ぶから。
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