第49話

「後日って、え?ちょっと待って?」


浦崎君のさっきまで落ち着いていた雰囲気が私の一言で一変する。


「そんなに荷物持って帰るって意味分かんないんだけど、」


「だって私は部屋を出ていくからです……今日中には運べないから。」


「いやいやいや、菜々、ちょっと落ち着こう?」


「落ち着いてますけど……。」


浦崎君とお別れするのは辛いけど、彼が私に愛想尽かしたなら仕方がない。


「部屋を出ていく?」


「はい、短い間でしたがお世話になりました。」


そう言うと浦崎君は手を自分の口にあてがう。


「……菜々が前の自分に戻りたい、て言うから慣れない生活でゆっくり休んだ方が良いのかな、と思って言ったんだけど。1日や2日の話で俺は……え、出ていくって。」

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