Lovesick 31

第91話

「……ねぇ、俺がさっき言ったこと忘れたの?」


「そ、そんな不可抗力です!浦崎君の隣にサーバー配置されてるのでっ、」


私だって浦崎君のデスクの隣に医局のサーバーがなかったら近づいてないんだから。


「……拷問だよ、論文に集中出来ない。」


浦崎君は肘をついて頭を抱える。


「す、すみません。今だけ何処かに行ってくれませんか?」


そう言うと「はぁ?」って彼の呆れた声が聞こえた。

彼が左手を伸ばせば私に十分触れることのできる距離に私たちはいる。


浦崎君の深いため息が聞こえた。


だから私は彼の方を向く。


「こっち向いたらダメ。」


「ど、どうしてですかっ、」


そう言ってると同時に浦崎君は私に近づいた。


「もう限界だな、」


浦崎君の少し冷たい唇が一瞬だけ触れた。

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