Lovesick 26

第76話

浦崎君から着信があったのに切れた。

せっかく連絡してくれたのに別の用ができたのかな。


確かに目は合ったのに視線を外されたから気になってた。

あんな態度初めてだったからちょっとショックだった。

私は彼に何をしてしまったのかな。


するとインターホンが鳴る。


え、こんな時間に……だれ?

怖いんだけど。


身体に力が入る。

通話ボタンを押す。


「え、」


インターホンを押したのは浦崎君だった。


急いで玄関ドアを開ける。


「ごめん、こんな時間に。」


「う、ううん、全然大丈夫。」


浦崎君の後ろでドアが閉まる音がする。


それがやけに響いた。


思いのほか私は彼に会いたかったのかもしれない。

また微かに消毒薬の香りがした。

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