第62話

おかしくなるのはこの私なんだけど。


目が覚めると隣には浦崎君はいなかった。

結局彼の所でお泊まり。

私は2連休なんだけど浦崎君は仕事だと言っていた。


昨日買った部屋着を着てリビングに行くと浦崎君は手馴れた様子でコーヒーをカップに注ぐ。


CM見てるみたい。


「おはようございます……。」


「…おはよ、よく眠れた?」


それはもう爆睡でした。


「う、うん。浦崎君は仕事……だよね。」


「うん、今日は集中治療室の方だから。」


……この人、体力半端ない気がする。

いや、医師は体力勝負と聞いたことある。


「浦崎君、疲れてないですか?」


「え?」


彼はダイニングテーブルに2つカップを置くと不思議そうに私を見た。


「えと、いえ、……」


恥ずかしくてうまく言葉が出てこない。


「疲れる、というよりスッキリした。」


そう言って彼は薄く笑った。

スッキリとか正直過ぎる。

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