第44話

「なんかまた2日くらい家に帰れてないんだよね。」


浦崎君はそう言ってため息をついた。


「でも自分が望んだ科だから1人前になるまでは仕方ない、頑張るしか、ね。」


彼は私にそう言うんだけどその言葉は自分に言い聞かせるみたいに聞こえた。


すると浦崎君は私の左手を握る。

相変わらず彼の体温は低い。

でも私にはそれが心地よく感じていた。


「あー、早く彩さんをめちゃくちゃ触りたいよ。そしたら俺は満たされるのに。」


「真昼間から卑猥なこと言わないでください!」


「彩さんは俺の事触りたくないの?」


そう言われるから思わず彼から視線を外す。


「う、浦崎君、そういうの欲求不満と言うのでは……、」


「そうかもね、俺、いま全然満たされてない。」

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