第39話

止めないで、とかどの口が言ってるんだか。


目が覚めると真夜中。


本当にお腹が空いている。


朝から水しか飲んでない。食べるチャンスを失っていた。


隣で静かに寝息を立てている浦崎君は寝顔も美しい。


あ……、お腹が鳴る。

ちょっと本当に冷蔵庫に何かないかな。

私は彼を起こさないようにゆっくりベッドから降りる。そして寝室を出た。


暗い部屋の中を手探りでキッチンまで辿り着く。


冷蔵庫を開けるとナッツとかチョコとか沢山ある。

浦崎君お菓子好きなのかな。


いや、今はそんな事どうでもいい。何でもいいから食べたい。


すると後ろから浦崎君に抱きしめられた。


「何してるの?知らない間に居なくならないで。」


「あっ……、ごめんなさい、お腹空いて。」


私が手に取ったチョコレートは冷蔵庫の灯りに照らされていた。それを見て浦崎君は吹き出した。


……色気のない私でごめんなさい。

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