Lovesick 13

第37話

誰にもこんな性急に求められることは1度もなかった。


「わざわざ脱がせやすいワンピース着てくれたの?」


そう言いながら浦崎君は背中のファスナーに手をかける。


「ま、まさか!考えすぎです。」


「そう?まぁどっちでもいい。結局彩さんは俺に脱がされるから。」


この人……生徒会長だったんだよね?

そして今は麻酔科医。

変な思考が頭をよぎる。


「……浦崎君、」


「ん……、今更イヤとか認めないから。」


そう言って彼は私の肩をポンと押す。

その拍子に身体はベッドに沈む。


「な、何人もの患者さんの、その、身体見てきたんだよね?」


浦崎君はシャツを脱ぐと少し思考停止したみたいに動きを止める。


「……それは仕事なんだけど?」


それは分かってるんだけど……、


「大体麻酔かけるのにいちいち欲情したりしない。欲情するのは目の前の彩さんだけだよ。」

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