Lovesick 6

第16話

「!!!」


声にならない心の叫び。


「彩さん、俺の事思い出した?」


彼と目を合わせられない。


「彩さん?」


お願いそんな囁かないで!

いや、本人はただの小声なのかもしれない。

私が自意識過剰になっている。


彼は……、本当に浦崎君だったんだ。


そうか、私は浦崎君としちゃったのか。

全然知らない人とするより浦崎君で良かった、と安心する自分がいた。


……なんて、大バカな。

私の頭の回路ぶっ壊れたの?

ここで浦崎君で良かったとか正気じゃないよ。


「直りました。失礼します。」


「え、ちょっ……、」


浦崎君の呼び止める声を無視して私は医局を出た。

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