第17話

……今日は全然集中出来なかった。

まさかこの病院で浦崎君が働いていたなんて。


彼の消毒薬の微かな香りも辻褄が合う。


連絡しなくてごめんね、とか要らないし。

そもそもお互い連絡先なんて知らない訳だし。


初日から前途多難すぎる。

リーダーの山本さん入院棟担当だから明日から部署代わってくれないかな。


帰りながらバッグから携帯を手に取る。

するといきなり着信音が鳴る。


ディスプレイには……、


浦崎凪、の表示。



「えっ……、」


目がとび出たのかと思った。


な、なんで浦崎君私の番号知ってるの!?


着信音は鳴り続けていた。

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