第11話

だから病院は苦手だと言ってるじゃない。

(心の中で……。)


私はある企業のSEをしている。

人と関わるのが苦手な事は充分幼少期から理解していたからコツコツ自分のペースで働ける職種を考えていた。


それがどういう訳かシステムエンジニア。

聞こえは良いけど仕事は激務。

徹夜が何日も続くこともある。


でも、


時間を気にするほど友達との予定なんてあるはずもなく。



とにかく女子力ゼロの早期に枯れゆく毎日を送っていた。


今回短期常駐を任されたのは大学病院だった。



「やだ、ロビーからすでに消毒薬臭い。」


思わず口に出してしまう。


もはや心の声だけでは収まりきれなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る