第12話

この大学病院のシステム管理をうちの企業が請け負っていて半年おきにチームで交代をする。


この病院の常駐を免れることはなくいずれは来なければならない場所だった。


今回私が任されたのは総合診療棟という所。

その中の集中治療部、手術室、麻酔科医局。



その場所に行くのにもこの消毒薬の匂いが身体にまとわりつくようで気分が悪い。


……そういえばあの人も微かに消毒薬の香りがしたのをまた思い出してしまった。


実は一夜限りのあの人を忘れようとしても毎日頭の中で彼と目が合った瞬間を思い出していた。


これは凄くマズイ。

なんなのこの気持ち……。

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