第9話

男は俺を見ると舌打ちをしてその場からいなくなった。


「……あの、もしかしてN高のヒト?」


そう言うと彼女は俺と視線を合わせる。


あれ……?俺この子のこと知ってるかも。


話したことはないけれど……。


苗字がなんだっけ、色彩っぽい感じなのに本人は凄く限りなくグレーの大人しさを醸し出していた……。


「あ……、C組の彩菜々いろどりなな。」


そうそう!彩さんだ!


よくクラスのヤツらが彼女のギャップをからかっていたけれど……。


よく見ると顔立ちは整っていてちょっと好み……、


「あの、あなたは誰?」



え、俺の事知らない同級生がいたの?

一応生徒会長してたんだけど。



「俺は浦崎凪、知らない、か。」


俺たちの間に変な間が発生してしまった。

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