scene5

第18話

それから1ヶ月は院瀬見くんに会うことはなかった。

それぞれのチームで動いているため普段は自分のチームスタッフとしか話す機会がない。

月1のカンファレンスでも座る位置で何年も話さないスタッフなんてザラにいる。


そろそろあの大学病院から解放されないか期待しながら毎日を過ごしていた。

病院は命を預かるだけでなく個人情報のセキュリティも大変で医療従事者の人たちって凄いと思う。

私はそんな責任をいくつも背負うのは……苦手だな。


カツンッ…


何かが床に落ちた音にハッと我に返る。


床に視線を落とすと色白の長い指がボールペンに触れていた。


この手は……、

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