scene4

第13話

22時を過ぎた頃。

誰かがスタッフルームのドアをノックした。


普段こんな時間に誰かが来ることは決してない。

だれ?

私の身体は金縛りに合ったように動かない。

……金縛りに合った事など一度もないのだけど。


「文月さん?院瀬見です。遅くにすみません。」


え、院瀬見くん⁉︎

確かに声は彼の声に間違いない。


私は恐る恐るドアを開ける。


彼で間違いなかった。

ホッとして身体のチカラは抜ける。


「佐々木さん達からの差し入れです。」


院瀬見くんはそう言って袋を差し出した。


「あ、コレ駅前のたこ焼き。」


「え、中身確認していないのに分かるんですか?」

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