scene2

第8話

急いでSEスタッフルームに戻った。


「文月さんどうしたの、息切れしてるけど。」


スタッフルームには集中治療部担当の佐々木さんがいた。

彼は2歳年上の先輩SE。


「い、いえ何でもありませんっ……、」


言われて気づいた。私は全速力で走ってきたかのように呼吸が浅くなっていた。


「文月さんは今日宿直だったよね?」


「あ、はい。何か申し送りありますか?」


そう言いながら自分のデスクに置いているメモ用紙を手に取る。


「いや、ないよ。今夜は平和に過ごせるといいね。」


私は苦笑いをする。

本当、平和で朝を迎えたい。


するとスタッフルームのドアを誰かがノックした。

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