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「そうだね~。澪先輩の彼氏だもんねぇ。ふたりとも完璧すぎて、好きになっても無駄な感じはするよねぇ」


「じゃなくて……」



誰かの彼氏だとか、私自身が男子が苦手だとか、そんな理由以前の問題がある。



「あれ?梨子、行かねーの?部活。お前いつももっと早く行くじゃん」


「え?」



いつからそこにいたのか、知宏にそんな指摘をされて、教室の壁掛け時計を見て飛び跳ねた。



「こんな時間!」



友理奈にのんびりと「いってらっしゃーい」と見送られ、私は知宏と教室を飛び出した。

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