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「見たかったなぁ~、澪先輩の全力勧誘。あたしまだその時、梨子と話したこと無かったもんね。もったいなかった。
てか、何で澪先輩は、そんなに梨子がよかったんだろうね?」
帰宅部の友理奈は帰り支度をすっかり済ませて、私の隣の席にかばんを置いた。
「あとで聞いたんだけどね、私と知宏が付き合ってるんだと思ったからなんだって。すでに彼氏がいる子なら、浅野先輩に騒がないだろう、って」
「あー、そうだね。あたしも最初は、梨子は知宏くんと付き合ってるんだと思ってたよ」
「違うよ、幼なじみ」
付き合っていないし、だからといって浅野先輩に騒ぐつもりもない。
だって、私はあの人のことが……。
「でもいいじゃーん、サッカー部。あの浅野先輩でしょ? イケメンがサッカーとかやばいよね。そんなん、好きになるよね~。うらやましいよ」
「ないよ、ありえない。好きになんてならない」
少し強めの私の否定に、友理奈がキョトンとする。
そして、すぐに諦めたようにため息をついた。
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