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「こら、浅野くん集合だよ!」


「はいはい」



浅野くんと呼ばれたその人は、マネージャーの女子に手招きをされて渋々向かっていった。



「あー、もう行っちゃったぁ」


「しょうがないよ、澪ちゃんだもん」


「まぁねー、あの人が相手じゃねぇ」



先ほどまできゃあきゃあと騒いでいた女子たちが、マネージャーの登場に落胆するような諦めの言葉を口にする。


マネージャーの人は、澪さんっていうんだ。


綺麗な人……。


ストレートの長い黒髪を後頭部で一本に束ねていて、風が吹くたびにサラサラと揺れている。


スタイルも良くて、街で会ったら芸能人か何かと間違えてしまうほどに。



部員が顧問の先生に集められた。


何を話しているのかは聞こえないけど、その中でもあの澪さんとさっきゴールを決めた浅野さんは、とても仲が良さそうに話している。


それこそ、他の部員そっちのけで。


あ、先生に怒られたっぽい。


ふたりで顔を見合わせて笑っている。


付き合ってるのかな。まぁ、私には関係ないことだけど……。

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