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――瞬間、目を奪われた。
周りの音が、消えたような気がした。
綺麗な茶色に染まった髪が、風に揺れている。
最後にシュートを決めた真剣な横顔が正面に変わって、嬉しそうに口を開けて笑う。
他に何も見えない。何も聞こえない。
景色がスローモーションになる。
初めての感覚に、その場から動くことができない。
「浅野くーん!」
「きゃー!」
目が合いそうになったその時。
ホイッスルの音と共に、歓声が耳を貫いた。
ゴールを決めた男子は、声援に答えるようにニコニコとギャラリーに手を振る。
なんか……イメージと違う。
チャラい……。
さっきのは見間違いだったのかと思うほどに。
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