森での生活

第10話

たどり着いたのは森だった。

途中で「その森は危ないぞ」と声をかけられた気もした。

だが、まるで導かれるようにリィラはその森に足を運んでいた。

人呼んで、「魔の森」。

隣国との国境にさえなっているその広大な森は、広さだけはわかっているものの全貌を知るものは少なくとも表の世界には一人もいない。

足を踏み入れたものは失踪してしまうがゆえ、近隣住民は子どもにはもちろん、旅人にも立入禁止だと強く言い聞かせていた。

だが、リィラは足を踏み入れてしまった。

その森が、呼んでいた気がしたから。

リィラを、呼んでいた気がしたから。

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