第85話
「っ…なに?お前、何か余計なこと考えてる?」
至近距離で見つめられそんな問いかけをされると考えを見透かされているようで…何も答えられなくなる。
「言えよ、思ってることがあるなら……言って」
私の腕を壁に押し付けたまま、少し身体を離してジッと見据えてくる彼に…言えることなんてひとつしか、ない。
「……さみし、かった。」
「…は?」
「新次郎さんに、会いたかっ…た……です。」
私の発した言葉は、彼が想像していたものと違ったのか…少し驚いたような表情を見せた新次郎さん。やはり言うべきでは無かったのか…と落ち込んだ時、新次郎さんは小さくため息をつくと、、
「やっぱお前、バカだな」
そう言って、壁に押し付けていた私の身体を優しく抱きしめ…片手で髪を撫でてくれる。
「……俺も、一緒だから」
って…言われたような気がしたけど、それは私の願望で都合のいい聞き間違いかも…しれない。
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