第81話

「あー…マジでヤバい。お前さぁ…ほんとに初めて?実は前の男と同じことヤってた?」




事が終わり、二人でベッドで横になって居るとふいに切り出された"前の男"の話し。




「シてないです。新次郎さんが初めてです」



「その割に、上手く動けてたけど……やっぱ俺と紬葵の相性が良すぎるってことか」




仰向けに倒れていた身体をこちらに向けてきた彼に…私は背を向けて寝返りを打つ。そうすれば新次郎さんが後ろから抱き締めてくれるって分かってるから─…




「これから…ここに帰ってくる頻度、減ると思う」




急に、ほんとになんの前触れもなく…そんなことを言い出した彼に、ただ不安だけが募る。




「ちょっと今、身内で面倒なこと起こっててさぁ…俺、忙しくなりそーなんだわ」



「……それは、大変ですね」




って、そう返すしかないような気がしたのに、、




「……寂しい?」




なんて聞いてくるのは、ズルいです。

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