第78話

「あぁー…そう。つまんねぇセックスしかシてこなかったんだなぁ、お前」



「……っえ、」



「俺が教えてやるから、とりあえず服脱いで俺の上、乗ってみようか?」




パンっ…と手を叩いて部屋の照明を暗くしてくれる新次郎さん。以前同じように手を叩いてみたことがあったが…私では上手く反応してくれなくて笑われたことがあったっけな、、




「あれ?ずいぶんと余裕そうだな?俺の教えなんて必要無かった?」



それは困る、っと慌てて身につけていた衣類を脱ぎ捨て…下着姿で彼のお腹の上のあたりに手をついてお邪魔させてもらい…ゆっくりと腰を下ろした。




上から見下ろされるのも恥ずかしいけど…下から見上げられるのも中々恥ずかしいものだ。




「……なんだこれ、最高の眺めすぎて一生見てられるんだけど」




なんて甘いセリフを言われると、身体の色んなところがキュンと締め付けられて早く繋がりたい…と彼を求めてしまう。




しかし、、上から見下ろすことによって視界に鮮明に映った身体に残る生々しい傷跡。新しいものもあれば…跡として消えずに残っているものもある。




「……そんな顔すんな、萎えんだろ」



「…だって、ケガ、、」



「うん…だから今日は紬葵が動いてくれる?」



「傷口、開いたりしないかな…やっぱり今日は」



「今更何言ってんの?早く紬葵んナカ入りたくて待ってるんだけど……当たってるから、分かるよな?」



硬くなっているモノの存在には気がついているけど、ケガを悪化させてしまわないかという不安がチラついて今ひとつ乗り気になれない。



すると、はぁ…とため息をついた新次郎さんが身体を起こしてきて、、




「気分が乗らねぇなら…その気にさせてやる」




そう言って、そのまま私の唇を塞いだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る