第77話

寝室のベッドで横になり大人しくゴロンと寝転がって新次郎さんが来るのを待った。




カチャ…と小さくドアが開く音がして身体を勢いよく起こせば、目が合った彼が微笑んでくれる。




「なに焦ってんの?別に俺、逃げたりしねーよ」



そう言って濡れた髪をタオルでガシガシと雑に乾かしながら、下着だけを身につけたスタイルでベッドの上に乗っかってきた新次郎さんは、そのまま私の隣にバタン…と倒れた。




いつも私の上に跨ってくる彼が隣で寝転んだところを見ると、やはり身体が辛いのかと察して自分も隣でゴロンと横になった。




「……おい、何寝てんだよ」




っと、すぐ隣から不機嫌そうな声が聞こえてきたので新次郎さんの方に身体を向けて彼の顔を見れば、、




「俺、病み上がりだからさ?今日は紬葵が上に乗って俺を気持ちよくさせてよ」




なんて…また私を困らせるようなことを平気な顔をして言ってのける新次郎さん。




……上に乗る、なんて、、




「ど…どうやって?そういうの、した事がないのでやり方が分からないです」




素直に”分からない”と答えれば、新次郎さんは一度目を丸くしてから…楽しそうに笑った。

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