第76話
「はぁ……冗談に決まってんだろ。いちいち真に受けてんじゃねーよ」
「看護師とそーいう関係を持つのはどうかと、」
「それって看護師としての意見?それともお前個人的な嫉妬?」
「……両方です」
「素直じゃねぇーな、今日はツンデレキャラ?」
背後から抱きしめていた腕を解き、ソファーに座っていた私の隣に腰掛けた新次郎さんは…肩に腕を回してきてグッと身体を引き寄せてくる。
「知りたいなら、俺に聞けば?答えられることなら何でも答えてやるけど?」
裏でコソコソ、フィクションの映画を観ていることがバレた以上…言い逃れ出来ない。
「……いつ死ぬか分からない、みたいな…そんな世界を生きてるんですか?」
「それは、お前だって同じだろ。今ここで俺に殺されるかもしれねぇし?」
「……えっ」
「はい、質問タイム終了。殺されたくねぇなら、俺が風呂から出てくるまで寝室で起きて待ってろ」
「それは……」
「寝てたら俺がその口塞いで、窒息死させてやるから…死にたくねぇなら起きて待ってろよ、紬葵」
こんなセリフ、新次郎さん以外の人に言われたら寒気がしそうな言葉だけど。彼が言うと胸がドクンと高鳴るから…恋というものは本当に厄介だ
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