第69話
「お疲れ〜」
「お疲れ様ですっ」
仕事終わり、典子さんと二人で職場から少し離れたところにある居酒屋に向かい乾杯をする。
外でお酒を飲むのは久しぶりだ…遥馬と付き合っていた頃は真っ直ぐ帰宅して彼の為に夕飯の支度をして…それから、
「……で?いつ別れたの?この前職場に来てたのって…年下ヒモ彼氏だよね?」
そういえば、遥馬と別れたことを話していなかったな…と思い出し、新次郎さんに出会ったこと以外…借金を押し付けられたことや家を勝手に引き払われたことなどを軽く報告した。
「……なんだ、そのクズっぷりは。まるでドラマに出てくる絵に書いたようなクズ男だな」
生ビールを一気に飲み干した典子さんは、ジョッキを机に叩きつけて怒りをぶつけるように追加の注文をする。
「許せないっ……紬葵ちゃん、私ね?親戚に弁護士がいるから真っ向勝負しよ!連絡がつくなら居場所も特定出来るよね?このままクズ男だけがのうのうと生きるなんて、絶対にダメだよ!泣き寝入りなんてする必要ない!!」
既に酔っているのか声を荒らげて私のために怒ってくれる典子さん。有難いが少し恥ずかしいのでもう少し声のボリュームを抑えて頂きたい。
「……って、まぁ元カレのクズ男は成敗するとして、今はもう別の男が居るんでしょ?」
「っえ……?!」
「だって最近の紬葵ちゃん、凄く綺麗だから。恋してる女の子って感じがして…色気が凄いよ?」
色気なんてものを自分が放っているなんて全く思えないのだが、、典子さんが言うのならそうなのかな?
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