第67話

「まぁ…いつまで続くか分かんねぇけど。今の俺は紬葵ナシでは生きられねぇ身体になってるからね。あーあ…早く終わんねぇかなぁ」



「……終わるって、何がですか?」



「は?そんなもん俺の口から言わせようとすんな。お前のその…女子特有の月イチの神聖なる儀式…いや宿命?なんだろーな、とにかくソレ!」




生理って言葉を口にするのが恥ずかしいのか、小学生男子みたいなことを言ってくる新次郎さん。



いつものオラついた雰囲気と違いすぎるギャップにまたしても心を鷲掴みにされる。




「……あと四日ほどの我慢ですね」



「わざわざ日数とか口にするんじゃねーよ、長く感じるだろーが」



「……私も早く終わって欲しいです。」



「んだよ、身体…辛いのか?」



「そーじゃなくてっ……新次郎さんに、触れて欲しいから」




弱っている時は人肌が恋しくなる。素直な気持ちを口走って早々に後悔したものの…後ろから私の胸に触れていた彼の手が腰に回されキツく抱きしめてくれたので、もう何もかもどうでも良くなる




「かわいーことばっか言うな。こっちだってガマンしてやってんだから…もう早く寝てくれ」




心臓がキュンと締め付けられながら、彼の手に自分の手を重ねて目を閉じた。




「─…おやすみ、紬葵」




明日、仕事が終わればまた会いに来てくれるのだろうか?分からないけど、連絡をすることを許された。きっと明日も…新次郎さんと繋がって居られる─…ここに帰ってきてくれるんだ。




──…そう、思っていたのに、




翌日の帰り、言われた通り連絡をとった私のメッセージに既読がつくことはなく……それどころかそれから一週間が過ぎたが、その間彼が家に帰ってくることは一度もなかった。

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